営業AIの会社に、営業代行から営業が来る──なぜ「数を追う営業」は的外れになるのか
この記事の結論
- 弊社には毎週、営業代行会社から営業の連絡が届く
- そのほとんどが、弊社が何をしている会社かを確認していない
- 原因は担当者ではなく、「数を追う」構造にある。1社ずつ見る時間がない
- 送られた側は一瞬で気づく。その瞬間、信頼はゼロになる
弊社には毎週のように、営業代行やテレアポ代行の会社から、営業のご連絡が届きます。
BtoB営業を支援するAIツールを提供している会社なので、「営業に課題があるはずだ」と見込まれるのは、ある意味で自然なことかもしれません。
ただ、届いたメールを読むたびに、考えさせられることがあります。
「拝見しました」と書かれているのに
そのほとんどが、弊社が何をしている会社なのかを、確認していないのです。
弊社が提供しているのは、営業の作業をAIが担い、送信の判断は人が行うツールです。そこに、人力で電話をかけ続ける代行サービスの提案が届きます。方向性が真逆です。
また、弊社にはパートナー(代理店)制度があり、サイト上でも公開しています。営業のプロフェッショナルであれば、そちらのほうがご一緒できる可能性が高いはずです。しかし、それに触れたご連絡はほとんどありません。
なかには、サービス名を間違えたまま「拝見しました」と書かれているメールもあります。
悪いのは、担当者ではない
ここで強調したいのは、送ってきた担当者を責めたいわけではない、ということです。
原因は、構造にあります。
件数が目標になれば、1社ずつ丁寧に確認する時間はなくなります。リストに入れて、送る。次のリストに入れて、送る。それを繰り返さなければ、目標には届きません。
相手が何をしている会社なのか、どんな考え方でサービスを作っているのか、すでに接点があるのか——それを調べる余裕は、どこにもないのです。
数を追う営業をしている限り、誰がやっても同じことになります。これは個人の資質ではなく、仕組みの問題です。
しかし、送られた側は気づく
とはいえ、送り手の事情は、受け手には関係ありません。
そして受け手は、一瞬で気づきます。「ああ、見ていないな」と。
その瞬間、そのメールは営業ではなく、ただの雑音になります。それどころか、以前お断りした相手からまた届けば、印象はマイナスにまで振れます。
つまり、数を送るほど、信頼を失っていく。これが「数を追う営業」が抱える最大の矛盾です。効率を求めた結果、最も非効率なことをしている。
そして皮肉なことに、営業を支援するサービスを売る会社が、自社の営業でそれを証明してしまっている場面を、私たちは毎週のように目にしています。
だから、1社ずつ当てる
弊社が「1社ずつ」にこだわるのは、この構造から抜け出したいからです。
その会社が何をしているのか。今、どんな状況にあるのか。なぜ、この提案がその会社に合うと考えたのか。それが伝わる一文があるだけで、受け手の反応はまったく変わります。
弊社が自社運用したコールドメールでは、開封率56.3%という結果が出ています。ただ、これは特別な技術の成果ではありません。1社ずつ見て、1社ずつ書いた。その結果でしかないのです。
作業はAIに、判断は人に
もちろん、1社ずつ向き合うのは手間がかかります。だから多くの現場が、テンプレートの一斉配信に戻っていきます。
しかし、減らすべきは「1社ずつ」ではありません。そこにかかる「作業」です。
Nudge HQは、AIが1社ごとに相手企業の情報を読み取って文面を作成し、リスト作成から追客の準備までを担います。そして、送るかどうかの最終判断は人が持ちます。一度お断りの返信があった相手には、二度と送りません。
「1社ずつ向き合う」を、現実的な手間で続けられるようにする。それが、私たちがつくっているものです。
まとめ
営業AIの会社に、人力の営業代行の提案が届く。パートナー制度があるのに、誰も触れない。サービス名すら間違っている。
これは、担当者の怠慢ではありません。「数を追う」構造が、そうさせているのです。
しかし、送られた側は必ず気づきます。そして、数を送るほど信頼は失われていく。だからこそ、私たちは1社ずつ当てることを選んでいます。
1社ずつ、的確に。Nudge HQについては [こちら]