テレアポをやめる必要はありません。ただ「テレアポだけ」は、もったいない
この記事の結論
- テレアポは有効。否定する必要はない
- ただし「いきなりの電話」は唐突で、距離が近すぎると身構えられやすい
- 電話の前に、一社ずつ書いた誠実な一通を置くと、親しみと文脈が生まれる
- 同じテレアポでも「知らない人」から「あの会社」に変わり、打率が上がる
- テレアポ vs メールという二者択一ではなく、順序の設計の問題
テレアポは「いきなり」だから身構えられる。電話の前に一通置くと、同じ電話でも反応が変わります
テレアポは、今も有効な手段です。やめる必要はありません。声で届く熱量や、その場で会話が転がっていく速さは、メールにはないものです。私たち自身、電話という手段を否定したことは一度もありません。
ただ、一つだけ、もったいないと感じることがあります。「テレアポだけ」と決めてしまうことです。
電話が難しいのは、手段そのものではなく、たいてい「順序」の問題です。いきなりかかってくる電話は、受け取る側からすると唐突です。相手が誰で、なぜ自分に電話してきたのか、分からないまま会話が始まる。コミュニケーションでいえば、初対面でいきなり距離を詰められる感覚に近い。人は、間合いを一足飛びに縮められると、反射的に身構えます。テレアポが「馴れ馴れしい」と受け取られてしまう瞬間は、たいていここにあります。
電話の中身が悪いのではありません。前置きがないまま、いちばん近い距離から始まってしまうことが、相手を身構えさせるのです。
では、どうするか。電話の前に、一通置くだけです。
一社ずつ、その会社を調べて書いた一通。「なぜ、あなたに連絡したのか」が伝わる一通。これを先に届けておくと、相手の中に小さな文脈が生まれます。その状態で電話をすると、同じテレアポでも受け取られ方が変わります。「知らない人からの突然の営業」ではなく、「ああ、あの会社か」になる。ゼロからではなく、一歩進んだところから会話が始まるのです。
これは、テレアポをメールに置き換える話ではありません。テレアポの打率を、その前の一通で上げる話です。順序を足すだけで、電話という手段はもっと活きます。
一点だけ、注意があります。この「前の一通」が、一斉配信のテンプレートでは意味がありません。誰にでも送っている文面は、受け取る側にはすぐ分かります。それはむしろ、電話の前に「またこのパターンか」という警戒を先に植えつけてしまう。前置きが逆効果になる。効くのは、一社ずつ書かれた、その会社に宛てた一通だけです。
とはいえ、事業を回しながら、送りたい相手一社ずつを調べて書くのは、現実には難しい。時間がいくらあっても足りません。だからこそ、そこを仕組みにする意味があります。
私たちがつくっているNudge HQは、まさにこの「電話の前の一通」を、一社ずつ用意するためのツールです。相手企業を調べ、その会社に宛てた文面を用意する。作業はAIが担い、送るかどうかの判断は人が持つ。テレアポをやめてこれに替える、という話ではありません。テレアポという手段を、もっと活かすための前段です。「テレアポだけ」を、「一通置いてからのテレアポ」に変えてみませんか。