必要なときだけ連絡してくる営業は、相手が大手でも印象を悪くする
この記事の結論
- 必要なときだけ連絡してくる営業は、相手が大手・有名でも印象を悪くする
- むしろ格のある相手ほど、雑な一通は「その程度か」とガッカリされる
- 担当が頻繁に変わる、無料だからと軽く扱う、動いた瞬間だけ売り込む——根は同じ
- 共通するのは、相手を「関係の相手」ではなく「処理する対象」として見ていること
- 用があるときしか現れないのは、関係を築く気がないことの裏返し
- コールドメールそのものが悪いのではない。相手を見ず、自分の都合だけで送るのが印象を悪くする
営業を受ける側に回ると、はっきり分かることがあります。連絡が来た瞬間に、「この相手は、こちらのことをどう見ているか」が透けて見える、ということです。
そして、必要なときだけ連絡してくる営業は、相手がどれだけ大きな会社でも、名の知れた団体でも、印象を悪くします。むしろ、格のある相手ほどガッカリする。「この規模の会社が、こんなに雑な向き合い方をするのか」と思ってしまうからです。
いくつか、身に覚えのある場面を挙げてみます。
一つ目。ツールを導入したあと、担当者がころころ変わる。引き継ぎがされていないので、こちらは毎回ゼロから同じ説明をさせられる。前に何を話したかも覚えられていない。相手にとってこちらは、担当の在庫として管理されているだけで、一つの関係として見られてはいないのだと感じます。
二つ目。無料プランで使っていると、明らかに扱いが軽い。問い合わせても後回し、案内も雑。今この瞬間にいくら払っているか、だけでこちらの価値が測られている。将来有料になるかもしれないことも、こちらが誰かに薦める立場かもしれないことも、見られていません。
三つ目。こちらが何かを世に出した途端、待ち構えていたように売り込みが来る。丁寧な文面でも、来るタイミングがあまりに正確だと、「こちらの動きを、売り込むチャンスとしてしか見ていない」ことが分かってしまいます。
これらは、業種も規模もバラバラです。ですが、根っこは同じところにあります。
相手を、「これから関係を築いていく相手」ではなく、「自分の都合のときに処理する対象」として見ている。だから、用があるときにしか現れない。関係を育てる気がないから、必要なときだけ連絡すれば十分だと考えている。
その姿勢は、どれだけ言葉を丁寧にしても、受け取る側に伝わります。そして、相手が大手であるほど、その落差にガッカリするのです。「あなたを見て連絡しました」という一文が、嘘に見えてしまう瞬間です。
「では、あなたの営業はどうなのか」という問いに答える
こう書くと、こう返されるかもしれません。「では、コールドメールを送っているあなたたちも、必要なときに売り込んでいるだけではないか」と。
もっともな問いです。ここははっきりさせておきたいと思います。
こちらから連絡すること自体が、悪いのではありません。まだ取引のない相手に、最初の一通を送ることは、営業の当たり前の入り口です。問題は、その一通が「相手を見ているか」「一度きりで終わらせる気があるか」です。
相手をろくに調べず、自分の都合のときだけ、同じ文面を大量に送る。断られても気にせず、また送る。これが、印象を悪くする営業の正体です。逆に、相手を一社ずつ見て、その会社に宛てて書き、一度断られたら二度と送らない。これなら、最初の一通であっても、「処理する対象」としてではなく「関係を築きたい相手」として扱っていることが伝わります。
同じ「連絡する」でも、この二つはまったく別のものです。
印象は、規模では買えない
大きな会社には、大きな会社なりの信頼の蓄積があります。ですが、その信頼は、一通の雑な連絡で簡単に削れます。「この規模でこの向き合い方か」という失望は、無名の相手に同じことをされるより、むしろ深く残るからです。
規模や知名度は、丁寧さの代わりにはなりません。むしろ、格があるほど、一通ずつの向き合い方が問われます。必要なときだけ現れる相手は、その一点で、積み上げてきたものを目減りさせているのです。